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山道具の選び方

スリーピングバッグの分類(中綿)

ダウンか、化学繊維か?

スリーピングバッグ内部の中綿の素材はダウンか、化学繊維に大別される。選ぶ基準は保温性(暖かさ)と収納性(コンパクトさ)におおむね収斂される。暖かさは、空気の層によって決まる。ロフト(嵩張り)が高く、たっぷり空気を含んだ寝袋は保温性が高いと言える。ダウンの利点はロフトがある割には軽く、ぎゅっとコンパクトに収納できることにある。テント泊では全ての荷物を持ち運ばなくてはならない為、これは大きなメリットとなる。多くの人がダウンを選ぶ理由もここにある。一方、ダウンは湿気に弱く、濡れると保温性が激減する。一方、化繊は湿っていても暖かい長所を保つ。この濡れても保温性が落ちにくいというのが一番の強みであろう。寝袋が徐々に湿っていきやすい長期山行や雨の多い時期は、活躍するだろう。悪天候時や雪洞、沢登りなどでも頼りになる。欠点は、ダウンと比較すると収納性が乏しいこと。最近ではダウン並みにコンパクトになるのも登場しているが、とはいえ、圧縮率はダウンが格段に上回る。同じ保温力ならば、ダウンの方が軽量でいてコンパクトな形状にまとまる為、化繊よりも持ち運びしやすい。

イスカ タトパニX
ダウンのスリーピングバッグ

以上が一般的な傾向なのだが、近年は羽毛に撥水加工を施した水濡れに強いダウンモデルや、表生地に防水透湿性を持たせたモノ、より軽量・コンパクトな化繊モデルも登場している。さらには、胸側にはダウンを、背中側には化繊を使ったハイブリッドモデルが登場するなど、選択肢が広がったいる。

2種類の中綿

中綿は、寝袋の機能性を決定的に左右する最重要素材だ。山岳用の中心となるダウンの性質は「フィルパワー」で表される。これは1オンス(約26g)のダウンを圧縮し、その後何立方インチまで復元するかを一定の温度と湿度のもとで測定したものであるが、数値が高いものほど、ふっくらと復元して暖気をキープし、かつコンパクトに収納出来るわけである。一般的に550フィルパワー以上が上質と言われ、現在では1,000フィルパワーダウンも登場している。一方、河川の中綿も各国の繊維メーカーで性質の向上が計られており、ダウン並みの保温力の繊維が開発されている。化繊はダウンよりも低価格で生産されることもあり、さらなる今後の進化が待ち望まれる。

OMM マウンテンレイド1.6
化繊のスリーピングバッグ

ダウンとは「羽毛」のことで、中でもアヒル(グース)やガチョウの羽毛のことを指す。「羽根」はフェザーとして区別されるが、ダウンのみではコシが出ない為、フェザーも混入される。一方、スリーピングバッグに使われる化学繊維は、ポリエステルが主体で、「棉」と言っても、繊維が絡み合った数層構造のモノが多い。嵩張りは抑えられないが、単純な保温力ではダウンに劣らない製品もある。「綿」ではなく、薄いシート上の化繊を数層に配置した新機軸のスリーピングバッグも登場していて、河川の中綿と同様な性質だが、より収納性に優れている。

スリーピングバッグカバー

スリーピングバッグには基本的に保温性の高い中綿が入っているが、薄いカバー状で中綿が入っていないタイプでも、内側にフリース素材を張ったり、裏地を起毛させたりして、保温性を持たせたものが販売されている。本来はスリーピングバッグの外側で使う防水用のカバーだが、内側を起毛させて肌触りを向上させ、汗ばんだ肌にも張り付くことないタイプもある。スリーピングバッグカバーを使用する最大の目的は、結露などによる濡れを防ぐこと。濡れに弱いダウンのシュラフを使用する場合は是非用意したい。わずかながら保温力を持ち、風の侵入も防ぐので、暑い夏にはこの1枚が重宝する。インナーシーツと合わせるとより暖かくなる。夏場のキャンプ場、特に低山では中綿が必要なほど気温が低くならないことも多く、その際には保温性ウェアとこれらの薄手タイプを組み合わせれば、十分に夜を過ごすことができる。一面は化学繊維、もう一面はフリース素材というリバーシブルタイプもある。寒い時にはフリース面を内側に、暑いときは化繊面を内側にして使うと、それぞれに適度な保温力を発揮することが出来る面白い工夫だ。

ファイントラック ポリゴンシールド1×1
スリーピングバッグカバー他、ビビィサックとしても利用できる

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