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山道具の選び方

テントの分類(シェルター)

ビビィサック

ポールと本体の生地というテントのような構造を持ちながら、体を横たえる必要最小限のスペースで山中の宿を作るのが、ビビィサックだ。スリーピングバッグのサイズで、山中の夜を過ごす道具で、山に慣れてくれば、テントに代わる相棒になり得る簡易的なシェルターの一種である。そのスペースはスリーピングバッグとほぼ同じ、ひとまわり大きいくらいである為、ほとんど全ての荷物は外部に置くしかない。荷物はザックに入れ、ザックカバーをしておけば、体制問題はないが、雨天時でも外で調理しなければならず、出入りの際には必ず濡れる。また晴れていても、狭い空間では内部の結露の問題が大きい。

ブラックダイヤモンド スポットライトビビィ

だが、その代わりに非常に軽量だ。最近のモデルには500g程度のモノもあり、荷物の軽量化には大きく貢献する。スペースを取らないので、混雑したテン場やテントを張るスペースがない場所でも有効だ。簡易的なシェルターの仲間とも言えるツェルトのように、ある程度の設営技術が必要でもなく、誰でも簡単に利用できるのもの良い。背の高いテントとは異なり、目立たないのも一つの特徴で、誰もいない静かな森の中で、ひっそりと一人で眠る夜も悪くない。

ライペン ビビィシェルター

ツェルト

ヨーロッパにルーツをもち、ドイツ語で「テント」を意味するツェルト。最近では200gを切るモデルも登場している。テントほどの居住性はないが、それなりの住空間は確保でき、手のひらに乗るほどのコンパクトで軽量なのが、ツェルトである。テント代わりに使用する人も多く、日本で独自に進化した簡易的なシェルターである為、緊急時に備え持っていたい山道具の一つだ。ツェルトは大きく一枚に縫われた生地でできており、テントのように設営するには慣れがいる。設営方法も様々で、トレッキングポールを支柱にしたり、細いロープで吊り上げたりと、設営する場所に合わせて工夫が必要だ。そもそもツェルトは、必ずしもテントのように立体的に設営する必要はなく、悪天候時の休憩の時にシートのように広げ、体を包んで風雨をしのいだり、緊急ビバークの際にウェアを着込んで体を覆ったりと、多様に使え応用度も高い。ツェルトの魅力は正攻法以外の使い方が、多いこと。雪洞の扉にしたり、横倒しにすることでより大勢が休むことも可能にしたり、ポールがなければ木立やロープを使えばいいし、緊急時にはそのまま被るだけども雨風を避けることが出来るのもいい。テントを持って歩いている時は必要ではないが、小屋泊まりや日帰り登山の時には持参すると、万が一の際の安全性が高まる。多目的な緊急避難道具と捉える方が一般的なのかもしれない。

ファイントラック ツェルト1

日帰りや小屋泊まり登山のお守りとして重宝されつつ、実は使う場面がなく、バックパックの隅に追いやられている感もある。その理由は、素材の進化により1kgを切るダブルウォールテントが登場していることや、山岳部や山岳会が衰退していることが挙げられるだろう。かつては、山の技術は先輩から受け継がれるもので、そこにはビバーク術も含まれていたが、シンプルな構造のツェルトは使い方の幅が広く、状況に合わせて張ることで、その真価を引き出すことが出来る。しかし、残念ながら、その技術継承がなさなくなってしまった現実がある。雨が降ろうが、雪が降ろうが、気にせずに眠る。もしくは天気を先読みし、とっとと下山する。そんな能力を経験で養うことによって、山旅は文字通り軽く、自由になるのだが…。ツェルト一つ持っていけば、どこでも泊まれる。ペグなんて打たなくても、かぶって寝ればいい。一晩だけ場所をお借りし、夜明け前にスッとさる。そんな潔い感じが、時代の流れの中で無くなってきているのは、なんとも寂しさもある…

アライテント ビバークツェルト1ロング

ツェルトの張り方

まずは、ツェルトをきちんと伸ばし、4隅をペグで止める。寝かせたまま片側のポール受けにポールを指し、それぞれの張り綱をペグで緩めに仮固定する。ポールを起こしながら、仮止めした張り綱の「自在」でテンションを調整する。反対側も同様に調整するというのが一般的なツェルトの張り方だ。一方、普通のテントと異なり、その張り方には正解はない。立ち木などにロープを張って、被って使用しても良いし、中でストックを柱にして立てるだけでも、スペースは広がる。一般的にはビバークで使うと思われているが、悪天時の休憩に使用すれば余裕ある休憩ができるし、また着替えの際に使用したり、寒さから守る為にケガ人を包んだり、包まって使っても良い。雪洞の出入り口を覆う為だけに使うこともある。応用範囲の広いエマージェンシーグッズである。

スノーピーク テントセル2

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